[コメント] A.I.(2001/米)
元々これは今や故人のスタンリー・キューブリックが「スーパートイズ」と言う短編小説を映像化しようとしたものだが、構想段階で亡くなってしまった。四年ほど前だったか、キューブリックの作品としてアナウンスがあり、製作も進められているとは聞いていた。キューブリックは極端な秘密主義で映画を作るため、一体どの程度作られているのか、あるいは本当にそのタイトル通りのものなのか、全く分からない所に特徴があるのだが。実際、遺作となった映画は二年前の「アイズ・ワイド・シャット」だった。一体A.I.はどうなったの?とか思っていたら、それがなんとよりにもよってスピルバーグに!
それが、ニュース聞いて一年もしないうちに公開が決まり、唖然とした。
そんなもんで、期待半分、失望覚悟で観に行く。
う〜む。何と言えばいいか。キューブリックらしさと、スピルバーグらしさとが混在した作品なのだが…キューブリックらしい緻密さに欠け、スピルバーグらしいベタベタした愛情を主眼に置いたあたり、やはり間違うことなくスピルバーグ作品なのだろう。
主人公デイヴィッドを演じるハーレイ・ジョエル・オスメントの演技は特筆すべきものがある。表情の変化が実に多彩で、機械と人間の半分という難しい役所をしっかりこなしていた。同じロボット役のベテランのジュード・ロウ(「と較べても引けを取らないどころか、完全に食ってしまっている。
映画の最後の方で私の周りからすすり泣きの声が聞こえてきたので、多分そう言う映画なのだろう。
ラストシーンの意外さとか、ディヴィッドのひたむきさとか、観るべき部分は確かにある。
が…
精神的に没入できれば良作。出来なければ普通の作品。と言うことになるか。 称するのに難しい作品ではある。
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