[コメント] ディスタンス(2001/日)
夏川結衣が印象に残る。他の出演者がどうしても「演技してないような演技」をしているように見えてしまうのに対して、彼女だけは本当に演技してないんじゃないかと思わされる自然さだった。これはけっこう凄いことだと思う。
撮影は見事。湖、森林…自然が美しく、またそこに人物を配置する構図のバランスも素晴らしい。
セリフなのかどうかも判然としないボソボソとした会話。しかも知り合いでありながら互いのことを深くは知らない間柄の者同士の、微妙な距離感。フィクションとドキュメンタリーの境界…だそうだが、そういう表現は面白く観られるし、確かに上手ではある。が、技巧以上の何かをこの映画から感じ取れなかったのも事実。別に派手にする必要なまったくないが、それにしても観ているもののエモーションを掻き立てる何かがこの映画には欠落している。
いっそのこと回想シーンなど一切無くしてしまって「ボソボソ」だけで全編構成してしまった方がよかったのでは、などとさえ思ってしまう。中途半端な物語など廃した方が”純度”が増したのではないか。
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