[コメント] スターリングラード(2001/独=米=伊=アイルランド)
映画を見終った人むけのレビューです。
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死んでも生き残っても虚しい。それが戦争。というような説教じみた話を、極力説教しないで見せているが故に、観客の反感買う買う。
最後のシーン(二人の再会)も個人的には腰砕けだったが、結局最後は国も何もへったくれもなく、ただ愛する人のために戦った人のご褒美と観れば、多少は気も休まるというもの。
冒頭のシーンは『プライベート・ライアン』とよく比較されているが、比較する以前に戦争ってーのは兵士は人間扱いされないという面があり、他の戦争映画と比較してあっちがいいのこっちがいいの言うのは、単なる技術論議でしかないことに気付いていない方も多いかと。そういう方々は『プライベート・ライアン』と比べる前に『スターシップ・トゥルーパーズ』と比べて欲しいな。
明日をも生きられぬ状況下でのSEXシーンはやけにリアル。『ミラクル・マイル』のワンシーンを思い出してしまった。
本筋と逸れたところでは、字幕嫌いのアメリカ人(イギリス人もか)向けにロシアもドイツも主人公達の会話は英語というのはよくある話で、私も最初それに違和感を感じる恐れがあって観なかったのだが、実際観てみたら違和感はあったものの、ロシア側をイギリス俳優で固めたこだわりみたいなものに感心して、最後まで観ることができた。変なところこだわるよなぁ。まぁ、全部本国の言葉でやられた日にゃ、台詞の細かいニュアンスなんて一部の人にしかつたわらんだろうからそれで良いのだと思うけど。
あと、ロン・パールマンにびっくり。『薔薇の名前』『ロストチルドレン』のイメージしかなかったから、あんな頼りがいあるオッサン(の割にあっさり死んじゃうけど)を演じているのを観て、あぁ、やっぱり向こうの役者は違うなとか思ったり。
それと、エンディングの中途半端にアーティスティックな表現もびっくり。淡々とエンドロールが流れるものだと思っていただけに、へー、ってカンジ。
とか何とか色々書いたけど、予想以上に見応えがあったので4点。
戦争反対。しかし、守るべきものは守れ。そんなテーマを扱った作品は枚挙に暇がないが、本作品はその中でも比較的わかりやすい作品だったと思う。
戦争を体験してもいないのに斜めに観てどうこう文句をつける人増えたね。なんつって自分もそうかい。
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