[コメント] ネットワーク(1976/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「TVにこそ真実がある」と煽りたてたその時、すでにTVは大企業の支配下に置かれていた。その強烈な皮肉と、それが引き起こした破滅的な矛盾は、ラストで冗談みたいなプロセスを経て、解決された。まるで、そうでもしなければ本作がドキュメンタリーになってしまうかのようだった。
重役会議で「殺すしかない」とロバート・デュヴァルが言い出したときは、比ゆ的な意味でそう言ったと思った。それを回りが最初は冗談として受けとも、本人もそのつもりだったが、やっぱりやるしかない、という進み方だったかなと思っていた。(一度TVで観ているので結末は覚えていた)ところが、それがストレートに受けとめられて、そのまま計画が進んだからちょっとびっくりした。
社会の物事の本質を鋭くえぐる作品は、50年の時を経ようとも、その威力、魅力は、いささかも減じないことを思い知らされた一本だった。
あと、本作でフェイ・ダナウェイはアカデミー主演女優賞をとったそうで、確かにそこそこセクシーで魅力的ではあった。
ただ、数十年前に本作をTVで観た記憶はしっかりとあり、そのあらすじもおおよそは覚えていたのだが、その中には主要登場人物の一人である彼女の記憶はほとんどなかった。今回も劇場で観て、これって彼女はいてもいなくてもいいんじゃない?と思ってしまった。
ついでに言うと、TVで観た時はピーター・フィンチの印象が強烈過ぎで、他の俳優はほとんど記憶に残らなかったが、今回、劇場で観るとウィリアム・ホールデンが印象に残り、彼は例えは良くないが、猿回しの猿のように思えた。 全体としては、観て良かったと言える。
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