[コメント] グラディエーター(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
1度目の観賞は劇場にて。
大画面で繰り広げられる戦闘シーンのド迫力。初っ端の戦闘での、空を一直線に飛んで行く火矢が描く直線。舞い散る雪。敵後方から突如として現れる騎馬隊。戦闘後の将軍の虚ろな瞳。
もうここから「血が滾る」という言葉がふさわしい。観賞中、「何度も座りなおす」これは、じっとしていられない本能が身体を揺さぶるからだろう。手に汗を握り、大合唱に参加しそうになる。
「マキシマス! マキシマス! マキシマス! マキシマス!」
背筋から、ズワァッと来る、鳥肌。
人間の持つ、「創造力・独創性」を生む大脳前頭野は、「凶暴性」の証でもあるという。まさに、私は人間。
そう、そしてラストは見事なハッピーエンドなのである。復讐だけの為に生き、復讐を遂げる、そして、家族の傍へと旅立つ。
男だ。
−−−−−−−−−−−3度目の観賞
父と共に観賞。父は1度目の観賞、私には3度目。
父が座りなおす姿を目撃。彼もまた人間なり。そう、私の一度目の観賞と同じ。
私はと言うと、ずっと暗い・重いままの心。
マキシマスが大地への尊敬を表す儀式(手に土をつけ、擦り合わせる)は、まるで血で汚れてしまう手を、土によって少しでも防ごうかという姿。自らは求めていない戦争に対する姿。求めていない戦争に従事し、最も大切なものを失い、孤独になる。
コモドゥスも悲しい男だ。父に愛されず、姉にも愛されず、誰からも愛されない。どこまでもどこまでも孤独だ。
孤独な男同士が、殺しあう。
この映画には一つも救いがない。
コロセウムに、ただ一つ残されるコモドゥスの死体。誰も見向きもしない。そこに転がされるまま。
一体何なんだ。
悲しい音楽・歌が耳に響く。
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