この豊かな肢体の兄嫁の荒唐無稽な蘇生に驚愕し、感動しているのは観客である私であることから考えて、気がふれて正気に戻った弟ではなく、カール・テオドール・ドライヤーが起こした奇跡であることは最低限認めなくてはいけない。舞台劇のような登場人物がみんな観客側を向く不自然な室内と引きの絵だけの屋外、圧倒的な長回し、白を効果的に使った構図、などなど彼の企みに見事にはめられた私です。