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[コメント] イグジステンズ(1999/英=カナダ)

生ハムにメロン。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







キャスティングがベストかもしれない。

片や、ジュード・ロウ。彼の出演作品は『A.I』『スターリングラード』程度しか観ていないが、それでも注目していた。男の私でも惚れ惚れするような格好良さ、クールなオーラをぷんぷん漂わせている正真正銘の美形俳優だ。ベッカムと同じぐらいステキかもしれん。東洋の片隅に済む凡庸な容姿の自分からすれば彼は別世界の住人である。

片やジェニファー・ジェイソン・リー。彼女には注目などさしてしていなかったが、本作では振るいつきたくなった。なんちゅーか、えーと・・・ボディラインが素晴らしかったです・・・。ヘアスタイルも含め『ルームメイト』の頃とは大違いだ。コスチュームがまた彼女を引き立てているというか・・・。これ以上いうと誤解を生みそうなのでやめておくか。

とにかく、主演の二人に魅力を感じたワケなのです。

それが、クローネンバーグである。どちらが生ハムか、メロンかはひとまず置いておき、絶妙の組み合わせだ。

解剖実験的な生理的グロさが横溢し、至る場面で殺人が起こり血糊が自身ありげに噴出する。通り一辺倒のハリウッド映画だと期待していた観客には思ってもみなかったかも。ジュード・ロウのクールさと血まみれの謎の物体が異様な対比を成している。ありそうでないこの画面作りが面白く、そして新鮮だ。

クローネンバーグは美術の面ではとても個性的な監督なのかもしれない。例えばポッドや両頭の蜥蜴みたいな生物。毎回のように特有のグロさを生かした作品を作っている。個人的にはCGよりもずっと好きだ。グロさだけでなく序盤で出てきた「蚕の繭」みたいな携帯電話も可愛くて大変よろしい。あんな携帯が実際に世間で流行ったらいいのに。

何が現実で何が架空なのか。どこまでが現実で、どこまでがゲームなのか。サッパリわからん。『トータル・リコール』も吃驚の展開だ。が、こういうのは結構好きです。映画的面白さがあると思う。ゲームという仮想的題材と映画という表現手法が巧く一致した結果なのだろう。

ほら、ゲームをやめて目を覚ましてごらんなさい。目覚めたあなたは2XXX年にいるのかもしれませんよ・・・。

(評価:★4)

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