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[コメント] グリーンマイル(1999/米)

主役二人が自分のイメージから外れていたのは痛すぎる。脇役の好演では補いきれんかった。そして原作と引き比べると「内助の功」は想像以上にでかいのだ。(以下、原作のネタバレアリ→)
はしぼそがらす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まずマイケル・クラーク・ダンカン。あんた泣きすぎ。全然悲しみの重さが伝わってこないぞ。薄っぺらな純真に子どものような泣き顔を乗っけても、某救世主のアノカタと同じイニシャルを持つ、悲しきデカブツの心は表せぬと知るべし。

そして、自分では原作を読んだときにそんなに大事と思わなかったシーンが、映画で削られていたことで、実はとても重い役割を担っていたと知った。

それは、主人公(ポール)の奥さんにまつわる一切のエピソードのカット。映画の中では、単に「良き妻」で「ま、ひとつエッチでも」程度の扱いとなっている。でも原作の中では、唯一彼女だけが「何故無罪と分かっている人間を殺すのか」と言葉に出して問い掛けるから、ラストの処刑シーンでの主人公を含めた看守たちの原罪と苦悩が映えるのだ。(映画では誰もそこに言及しないので、無実の人を処刑するのが当然のこととして行われる)

そして事故にあって、死にかけた彼女を腕に抱いたポールが「なぜ所長の妻を救って、私の妻は救わないんだ、そこにいるんだろう?デカブツ!」とコーフィの幻影に向かって叫ぶからこそ、コーフィがポールに与えたものの本当の意味が伝わるのだ。(さらに原作では、コーフィの処刑シーンに看守たちの死の顛末を重ね合わせることで、ポールの果てしない孤独と「愛することと呪うことは同じ」というテーマを浮き彫りにしていくのだが、映画の中ではカットされている(同じ手法は『スタンド・バイ・ミー』で非常に効果的に使われていた))

もっとじいさんのポールの目線に焦点をあわせて欲しかった。コーフィを単なる聖人ではなく、「悲しみ」の一つの象徴として描いて欲しかった。製作側は、「主演、トム・ハンクスでキマリ!」という段階でもう「オオアタリ〜♪」となっちゃったんだろうか・・・。

あ、などとケナシばかり書いたが、パーシーやブルータスは実に見事だった!勿論、ミスタージングルスもね。だからよけい惜しいんだよぉぉぉ。

(評価:★3)

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