[コメント] カイロの紫のバラ(1985/米)
一見甘〜く,実はとても寂しい残酷な物語。ラストのヒロインの表情が忘れられない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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昔観たときは,現実逃避をしたがる女性の甘〜く儚い夢物語という印象しかなかったが,
久しぶりにビデオで観て,良さがわかったような気がする。
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さらにもう少し経ってよく考えてみたら,ヒロイン・シシリア(ミア・ファロー)って今の生活に不満はあっても,
案外幸せなんじゃないかなあという気もしている。
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さらに,もう一度観て,考えてみた。
ラスト…,シシリアは映画の主人公・トムに裏切られる形になる。これは,ザ・ミゼラブルさんが指摘して
いるように,本当はシシリアのことが好きだったけど周囲に促されて去ったのだろうと私も思うが,夢見る彼女に
とっては,かなり残酷な仕打ちだったはずだ。
でも,それゆえに,彼女は現実逃避をしているだけではダメだということに気づいたのではないか?
ふと現実を見つめ直してみると,不満はあっても夫のことを愛している自分に気づいたのではないか?
だからこその,あの笑顔…。そう考えると,この作品,実は悲しい結末などではなくて,ハッピーエンドの
物語なのではないかという気がする。
結局,彼女は,最初は単なる現実逃避の手段として映画を観ていたのかもしれないが,ラストの笑顔を
見るにつけ,これからは実人生に夢と希望を与えてくれるからこそ,映画を観続けていくのだろうなと思えてくる。
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