[コメント] シャンドライの恋(1998/伊)
主人公の男が変。だいたい一ピアノ講師に、あそこまでの役割※を担わせるのは、いくらなんでも無理がある。
まあそれはストーリーだから仕方がないとしても。そもそも自分が雇った使用人に懸想する男なんて最低じゃん。手近なところですまそうって感じが見え見えで。今までどういう人生を過ごしてきたんじゃい。※※
しかし、さすがに巨匠は映像に情感をこめるの上手いね。タイトルからも分かるようにシャンドライサンディ・ニュートンは恋に落ちるわけだけど、彼女がいつの時点で恋に落ちたのか、言葉では語られないのに、観てる我々には手に取るように分かるもの。かつて、恋に落ちる女心をらせん階段で表わし得た映画監督がいただろうか(いや、いたような気はするが覚えてない)?
あと、これは好みの問題だが、楽器の演奏が出来ない役者に演技で演奏させる(振りをする)映画、私は駄目。話の本筋とは離れた短いシーンでならまだ構わないが。(映画には「約束事」があるということは分かってるけど。死ぬ演技とか。) だって撮影現場じゃとてつもない騒音が掻き鳴らされてる訳でしょ。それを想像すると馬鹿馬鹿しいを通り越して白けてしまう。このため、『ほんとうのジャクリーヌ・デュプレ』『海の上のピアニスト』などと同様に、点数は辛目になってると思います。きちんとというか、それなりに演奏の出来る役者を起用すればいいだけのことだと思うので。
***以下ネタバレ注意***
※アフリカ某国で政治犯として囚われの身のシャンドライの旦那を解放させてしまうことを指す。
※※ただこれが、実は主人公は名うての遊び人、という設定ならすべてに納得がいくんだな。あらゆる手を尽くしてシャンドライをろう絡したあと、ポイと捨てる。ラストシーンの後にもうひとエピソード、そんな話を付け加えてくれるだけで、個人的にはお気に入り映画になるんだけど。実はベルトルッチ、そんなバージョンも撮ってたりしないのかなー。
75点/100点(2000/10/31)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。