[コメント] シュリ(1999/韓国)
見終わって「すごい」の一言。それまで韓国映画を見くびっていたことを反省させられた。なにより感心したのは、テロリズムの狂気の描き方の迫力、迫真さである。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それをはっきり感じたのは、キム・ユンジンの最後のシーン。スタジアム爆破に失敗し、逃げるVIPを追いかける。
事ここにいたっては、VIPは大勢のガードに囲まれて、一目散に避難し、とても銃弾では倒せそうにない。しかも、自身には警備陣が押し寄せてくる。
ハン・ソッキュと対じし、その周りを取り囲まれて銃を突きつけられる。この段階で彼女がとった行動は、諦めて投降するのでもなく、せめて一人でも道連れにと、銃を乱射することでもない。
あくまでも目的を完遂しようと、それがかなうかなわないは、問題ではないかのように、再び銃を携えてVIPに向かって突進するのである。
このテロリズムの描き方は出色。そしてそのリアルな、思いつめた、あるいは追いつめられたヒロインの姿は、私には衝撃的であった。
この緊張感は映画全体に漂っていたように思う。それがあるから、細かいところでは「あれっ」というところもあったが、そう気にならずに、迫力あるアクションを楽しむことができた。
さらにこの映画を、ただのアクション大作にとどめずに、最近なかなかお目にかかれないハードボイルドの傑作に押し上げていると思う。
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