[コメント] さらば青春の光(1979/英)
嗚呼ブライトン。一昔前の神戸まつりの暴走族集結みたいな話。ヌーヴェル・ヴァーグの影響大な瑞々しい撮影がとてもいい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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感情移入で映画の価値を測るのは嫌いなのだが、本作には感じ入った。どうしようもなく消費社会で育った誰もが、子供時代をそれぞれのやり方で終わらせるが、終わらせ方の判らない奴も中にはいるだろう。ジミーはそういう判らない奴で、処世を心得ぬ馬鹿だが、かつて私もあのような馬鹿で、馬鹿をどこかに捨ててきたのだし、それがブライトンの岬だったのだという既視感を覚えさせる力が本作にはある。ジミーは妥協なく突撃することで、ひとつの典型を謳いあげており、その顛末は処世に長けた我々の身代わりのように思われる。
ブライトンに行きたいと語る友人がふたりいるが、それがなぜなのか、よく判った。
あのエネルギーを別のところに使わんかい、と思わせるのも本作の挑発だろう。答えを引き受けるのは観客のほうである。
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