[コメント] 宋家の三姉妹(1997/日=香港)
「普通じゃない姉妹」をテーマにした「普通な映画」。これでは高校の授業以下ではないか(先生によるが)。歴史を語るにはハッタリも必要なのであーる。と、本日('03/10/24)宋美齢さん死去という事で関係ないレビューを捧げる。
史実を曲げろと言ってるわけじゃなく、歴史上の偉人や暴君てのは、誰もが他人の人生を変えるほどの存在なわけで、良くも悪くも、受け手(観客)の心にずかずか入ってこないと、そのキャラクタに感情を持つ事などできない。この当人達(歴史上の偉人や暴君)の気持ちになれってんじゃなくて、歴史モノの楽しさって、その現場に自分がいる事を創造する事だと思う。例えば、孫文が真剣に悩んでいる会議室のかたすみに自分がいて(というかカメラの位置)とか。歴史が動いてる瞬間の目撃者になるってんですかね。
でも、この映画では全然、そんな視点で見せてくれない。この感覚は、想像力を封印して教科書を丸暗記するものに近い。そんなんじゃ少なくとも楽しくない。その時代に対して興味が沸かない。その時点では覚えるけど、すぐ忘れそうな覚え方だ。頭にくるのは、そーゆー風にした方がテストでは点数が高いって事だな。思えば中学までは歴史が好きだから自然と歴史の成績も良かったけど、高校に行ったら「歴史って嫌いでさー」とか言ってるヤツの方が成績よかったりして、なんか矛盾を感じるわとか思ったものだ(自分の努力が無かっただけとも言う)。だから今の受験システムは間違っているのだよ。で、この『お受験』って映画はって、違う映画だね。
えー、たぶん、3ヶ月もすると「宋家に3姉妹あり。で、何やったんだっけ???」な状態になってるのだろう。期待して見た分だけ損したような、すごく楽しい歴史の講義を期待してたら、漢字の書き取りだったみたいな。そんな感じ。
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