記憶喪失の男が謎の集団に狙われる話。最初から息をのむ展開に入りワクワクさせられる。記憶喪失の男ジョンが記憶を取り戻そうとするうちに朝のこない町ダーク・シティの秘密を知ったりするところは実にテンポが良く退屈しない。ストーリーもアイデアが良い、人の記憶を混ぜてその日は金持ちだった人がホームレスにされたりとＳＦ物の中では違った感覚をいっている。またジョンの超能力も面白い、大抵は超能力というと力で物を浮かせるか物を壊すぐらい出来なかったのに、この作品では頭で想像した物が現実に出てくるという発想で実に面白い。演出も良い。ジョンが自分の謎を追っていくうちに自分が救世主になっていくというＳＦではおなじみパターンだが映画のバランスが取れているし作りがいいのでかなり良い出来の作品になった。役者もルーファス・シーウェルは謎めいた男ジョンを上手くこなしている。キーファー・サザーランドの演じた博士も印象深い。またジェニファー・コネリーも助演ながら実にインパクトのある役でとても印象的である。出来ればラストの超能力戦の出来が良かったのでもっと超能力を使ったシーンを増やして欲しかったところ。全体的にはラストの超能力戦のシーンや人の記憶を替えて違う人生をおくらせるシーンなんかが実に良く出来ている。またテンポも良く演出面も最高だった、近年の宇宙人襲来物の映画の中では最高の出来。いつものＳＦ物に飽きた人にはぜひ見て欲しい作品。