[コメント] ガンモ(1997/米)
餓鬼。
都会でも田舎でもない、ゴミとガラクタだけが転がっている郊外。闊歩するのは親父不在でマトモな大人になる道の絶たれたフリークスな風貌の餓鬼んちょども、プッシー・キャット。幼児性に充たされた、ある意味でのユートピア。成熟とは程遠いセックス、雑草の生えた鉄コン筋クリート。程度の違いはあれ、日本にだってこんな風景はそこらの地方都市の外れにいくらでも転がってる。
映画自体は、一流のスタッフを揃えて撮り上げた自主映画という域を出ないと思える。むしろ空っ風吹きすさぶ予告編の方が凝縮されていて良かったと思う(*)。でもそれはデビュー作、しようがないかも。次に期待の☆2つ、と思ったけど見返しているうちに愛着が湧いてきたので☆3つ。
眉毛ナシクロエ・セビニーはコスチュームデザインやらスタイリングも担当していたらしい。(女子に眉毛剃らせるあたりはこの監督の小児的な趣味の現われかも。)
*)「ディテールの集積」という理屈でこの映画の取り留めの無さを肯定する見方もあるらしい。つまりこの映画の舞台となったような生きながらに人もモノも廃虚となっているような場所では、物語らしい物語を築き上げること自体が反動的ですらあると、そういうことらしい。
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