[コメント] アイス・ストーム(1997/米)
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ものすごく心に響く内容だったとかではなく、まぁ悪い映画じゃないなぁ、というのが見た直後の感想だった。だが、何故かその後風呂につかりながら結構あれこれとこの映画について考えたりしていた。★4の評価はつけすぎな気もするが、どう考えても★3をつけるのは惜しいほどの秀作だと思う。同じアン・リー作品ならアカデミーで大注目だった『グリーン・デスティニー』よりもこの映画の方が好きだ。
元々、個人的に家族を題材にした映画は好きで良く見るが、この映画の家族は本当にバラバラな家族。隣人のシガニー・ウィーバーと性欲を満たすために肉体関係を持つ父ケビン・クライン。夫との関係に神経質になりすぎの母ジョーン・アレン。親元から離れ寮暮らしをする息子トビー・マグワイア。隣人のイライジャ・ウッドと親には内緒で付き合い、年の割にはかなりませた娘クリスティナ・リッチ。話の中心となる4人家族の様子は、感謝祭で同じテーブルを囲んでいてもどこか不自然だ。普通の家庭のように見えるのだが、明らかに離れた関係になっている。その様子をわかりやすく描いていたのが良かった。その中で、序盤に性に関する題材をユーモアありに描いていたのも面白かった。クリスティナ・リッチのムチムチ体型がどこか魅力的だ。
終盤、長い時間をかけて描かれる嵐の一夜。タイトルにもなっているアイス・ストームが家族の冷たい荒れた状況を象徴してるかのようだ。その夜、両親は子供をおいてパーティーに出かけ、息子は好きなこと過ごすためニューヨークへ、娘は家で留守番と、とても大きな嵐が来ている夜の過ごし方とは思えない。実際様々な動きがあり、嵐により隣人のイライジャ・ウッドが死んでしまうのが、冷めた家族の悲惨な結果だろう。個人的には死ぬ必要までは無かったような気がしてならないのが不満だが・・・。死なせなくても、他の方法でも映画の主題は伝わった気もする。
トビー・マグワイアの深い意味のこもった語りを何度かあるが、ラストシーンを見ると、その内容をよく反映させてると思う。嵐も去った朝、"負の地帯"からふと出てきた家族4人が揃うショット。昨晩の出来事から何かが変わり、今までより家族が良い方向に向かう兆しが少しばかり感じられた。最後、父親が泣き崩れる顔見たときのトビー・マグワイアの表情が印象的だ。
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