[コメント] ボーイズ・ライフ(1993/米)
一見穏やかそうで実は内弁慶の暴力親父というデニーロ。夫の支配下でみるみる輝きを失う母親役のバーキン。精一杯つっぱりながらも傷付いている多感な少年役のディカプリオ。全員巧い。ただ肝心の物語がなってない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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視点がうつろい過ぎる。少年が時に反発しながらも、なんとか暴力的な義父を認めよう、良いところを見つけようとするのは当然の事だが、それを見つめる脚本家の視点までもが少年と一緒にフラフラ惑っているので、観ていて「結局この親父はどうなの? あ、本当はイイ奴なの? え、やっぱり悪い奴なの?」と次第にイライラしてくる。
人間をそう簡単にイイ奴と悪いヤツには分類できないというメッセージがあるようには思えないラストだし、感情にまかせて子供に暴力をふるう奴がイイ奴って事はないだろう。
原作者は主人公の少年と同じ名前だし、おそらく自伝的小説を映画化した物だと思うのだが、こんな生い立ちの少年がベトナム戦争から帰還後に小説家として成功するまでの方がよっぽど興味深い。そこをラストに字幕でアッサリ伝えられただけなので「このラスト以後が知りたいんだけどな!」とガッカリ。
母親と逃げ出すラストも溜まりに溜まったストレスを一気にぶちまける開放感というよりは「もっと早くそうすれば良かったんだよ…」とくたびれた気持ちでため息まじりに思うだけだった。
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