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[コメント] テオレマ(1968/伊)

定理・・・。一人の青年の登場から、顕在化する家族それぞれの宿命。でも、この話は他人事ではないかもよ。
ちわわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画、ある青年が訪れることで、登場人物たち(ブルジョワ家族)が破滅破滅していく様がかたられるのだけど、本当にそれだけの映画なのだろうか?潜在的なものが、つまり本当は無い物が、青年の登場で顕在化して、それぞれの人物がそれを受け入れていくのだから、破滅していく人物には、悲劇的なものが見られない。むしろ喜んで受け入れていくようだ。

現代人は、おおかれすくなかれ、必然的に精神病だと思う。何かの契機に、人生の方向をパラノイア的に決定することはよくあると思う。青年によって判らなかった性的な鬱屈が明らかになり、また解放も得る。青年が去ったあと、彼らは新しい生を生きていく。もっと大きな存在に出会うことがなければ、彼らは答えを求め続けるほかないだろう。

こういうことって僕らにも起こるかもよ。そういう意味でこの映画「現代の寓話」なのです。映像的なところがわかればもっと読みとれるかも。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)KEI[*] けにろん[*]

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