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[コメント] ボーイ・ミーツ・ガール(1983/仏)

カラックスもこんなのを撮っていたのか。
kiona

 大げさな台詞を剥ぎ取れば、青臭くも他愛ない中身が露呈する。恋敵の痴話を延々と垂れ流すくだりなど、自分で見返して、赤面してもおかしくないのでは。にもまして、ラスト・カットなんて……

 とはいうものの、(内容と作家の当時の年齢を照らし合わせて)リアルタイムで撮りきったためか、後半の映像には惹きつけられた。突っ走る主人公の足を延々と追うシーン等は、前半のカップルがろくろ回しされている微妙なシーン等とは対照的に、らしく饒舌でもあり、また『ポーラX』の暗くドロドロとした疾走感とは似て非なる年相応の素直な疾走を感じさせる。

 そう思えばこそ、作品そのものはともかく、誰はばかることなく自分の観念を垂れ流しきった、否、いまだ垂れ流し続けているこの人自体が憎らしくもあり、また、羨ましくもあり……

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Linus[*]

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