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[コメント] パッション・ダモーレ(1980/仏=伊)

「美」と「醜」についてかなり考えさせられること受け合い。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







非常に質の高い作品だと感じた。

役者か素人か知らないが、悪いけど本当に女の外見は不美人。否、醜いと言ったほうが正確かもしれない。

対する美女役はラウラ・アントネッリ。『イノセント』で艶姿を見せてくれたグラマー美人。100000000人が100000000人後者を選ぶだろう。

作品の大半を占める醜女が男に付きまとい、迫る場面は女の真剣さとは裏腹にコメディー的。とても笑えた。自分をこの上なく好きになってくれる女性がいたらどうするのだろう。現代だとストーカー的な視点になりがちな行為が比較的繊細に描かれている。男の変化していく過程も非常に巧く表れている。

そして情事、決闘。

最大で最後の見せ場はラスト。奇形的な男が美男の過ぎ去りし愛を嘲笑する。やはりあの「愛」は単なる狂気でしかなかったのか!!!もしくは全く現実離れした(奇形の男の人生が滲み出ている・・・)お伽噺だったのだろうか?やはりあり得ないかも。やはりやはりやはり・・・。奇形の男は美男を、そして甘く映画的なラブストーリーを見ていた者を一瞬にして暗闇に立たせる。このラブストーリーを受け入れた者までも嘲笑うのだ。「お前は分っていないよ」、そんな声が聞こえてきそうだ。狂気か、純粋な愛なのか?誰が分るだろう?とてつもなく皮肉的で問題提起的なラストだ。

(評価:★4)

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