[コメント] 男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979/日)
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桃井かおりがこんな嫌な女だと思わなかった。いや当時はイケてる女優だと思ってたけど。
1979年は私が結婚した年。カップヌードルもインベーダーゲームも流行りものでした。定時制高校の卓球部の面倒を見て帰宅すると10時を過ぎる。それから商店街の喫茶店で閉店まで妻とインベーダーゲームやヘッドオンやデープスキャンなどというテーブルゲームをやった。100円玉を積み重ねて、これが自分の家でできたらどんなにいいだろう、と思った。任天堂のファミコンが出るのはこの4年先である。昼間は予備校に行っていたから、新婚らしいことは何もない。しかし思い返してみるとそれでも幸せだったといっていいかもしれない。
桃井かおりに意見する寅はすごくまとも。旅先ではしっかりもの。桃井かおりも意味不明な女だが、それにチャラ男湯浅がからむ。その湯浅に「迷惑かけてんじゃない」という寅はこのチャラ男と同じレベルで勝負している。寅らしくない。本来の寅は見えないところでほぞを噛むことはあっても湯浅みたいにズボンの中は挟まない。
結婚式のスピーチでは寅の立て板に水の挨拶が聞けるかと思ったが、初めの夢からの流れで運がついた話だった。布施が泣いて歌えなくなるのも謎だし、午前様の歌も少し外している。結婚式というのは誰がやってもドラマだからここにそこそこ感動を持ってくる手腕は普通。
という訳でこの人情ドラマは寅を狂言回しにしてまず第一に人情、次に世態風俗を描いてゆくことになるのか。つらいのは誰になるのかね。
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