[コメント] 裸の島(1960/日)
裸の島に水で織った草木の服を着せる行為が、延々と淡々と続くのだが、その行為が戦後復興の人々の姿そのものだったのだろう。焼け野原になった日本という島が裸の島なんだと、感情を示す「叫び」しか持たない無言の登場人物を見て痛感した。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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役者の服である声を捨てさせて、演技という役者の「裸体」のみに焦点をあてた試みが、凄く生々しく画面に広がり、斬新かつ内容に則しているので成功していると思う。そして、感情を示す「叫び」しか役者に支給されていない所など、時代を色濃く反映していて見ていて、圧倒されてしまった。
【役者魂】
子供の死をも顧みられない生活に絶望を感じ発狂しても、時代がそれを許さないという悲劇。乙羽信子と殿山泰司の演技派役者が精一杯に演じていたからこそ、受け手に伝わる感情がそこにはあったんだと思う。役者の技量の大きさに感動しました。
2002/12/7
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