[コメント] 第五福竜丸(1959/日)
丸坊主にされた船員、久保山氏の遺骨を抱えた夫人に終わらない戦争の影を感じる。そして、この映画でも脇役を務めた、だが真の主役であったアメリカの戦争も永久に終わらない。
アメリカでも心ある人の耳には、第五福竜丸の惨事は届いている筈なのだ。ベン・シャーンが、反核画『ラッキー・ドラゴン』を描いている事実があるように。
だが、今なおアメリカは世界各地に核爆弾被害者を増やし(劣化ウラン弾といっても同じことだ)、反省することをしない。彼らがいつか目覚めない限り、これに類する悲劇の連鎖が断たれることはあるまい。
事実を知らない者、おのれの正義を信じすぎる者に自分を振り返ることはない。この映画をはじめ、反核映画の上映がかの国で望まれる所以である(『怪獣王ゴジラ』すら、骨抜きの怪物映画になっていることはコメンテーターの皆さんの報告に見られる通りである)。
もはや、日本は唯一の被爆国などではないのだ。
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