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[コメント] ダメージ(1992/英=仏)

モラルを超越したラブ・スートリー。人が眉を潜めても理性では抑えられない恋愛感情。それは悲劇への序章だった。リスペクト!ルイ・マル監督!。
TOBBY

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90年代の悲恋名画(悲恋というより恋愛による悲劇)。ルイ・マル監督は『地下鉄のザジ』や『さよなら子供たち』で無垢な子供の視点に立って描くのが上手な人だなぁと思いきや、こんな大人のアンモラルな作品を見事に撮り上げていて感動。キャスティングが見事で、まず目を引きます。堕ちてゆく男はわりに多いジェレミー・アイアンズは納得の演技力ですが、ジュリエット・ビノシュが鮮烈。ちぐはぐなファッションと常を逸した性格ながら異性を惹きつける独特のセックスアピールを見事に体言。さらにアイアンズの妻役のミランダ・リチャードソンの徐々に壊れて行く様もリアル。またフレンチ監督ゆえのプライドか、アートワークがさすが!。どのカットもお洒落で、セックスの体位まで構図が考えられている!。ホテルの階段やビノシュの部屋など印象的なアーティスティックなシーン続出。息子の恋人を寝取りそれにより息子が死に至る・・なんて非日常的な悲劇でしかありえそうなのに現実的に息吹を与えた監督の才と役者の力量に敬服。ヨーロッパらしき作品です。映画好きなら絶対観るべきでしょう。

(評価:★5)

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