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[コメント] ショーシャンクの空に(1994/米)

ショーシャンクという一つの世界。
らーふる当番

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アンディは思うにショーシャンクに入る前はかなりの利己主義だったはず。人とのふれあいや助け合いなどもっとも苦手な性格。故に妻も彼から遠ざかった。

妻への償い、それは自分以外の世界へ目を向ける事。自分以外のために何かする事。

アンディはあの日、屋上で囚人たちがビールを飲む風景を「ショーシャンク」の空とともに見ながら、微笑んでいた。初めて人へのふれあいを求めた瞬間だった。初めて人へ尽くした瞬間だった。それが彼の新しい人生の出発だった。

アンディがショーシャンクに入った事、それは彼のショーシャンク以後の生活を考えるとあながち悲劇だったとは思えない。(金をもらって逃げて万歳という意味じゃないですよ・・・)人の価値観によるが、自分以外何も見えない世界で淡々と時間だけが過ぎる生活を送るのがよい人生だったのか。妻が、自分を見る事もなく遠くへ行くのが幸せだったのか。多分、彼は思ったと思う、人間として生きたショーシャンクが人生を教えてくれたと。

希望という言葉の本質もショーシャンクが教えてくれている。だって彼のショーシャンク以前は目の前の現実しか受け入れられなかったと思うから。ポスターの下の深さは目の前の現実から希望へと導くプロセス。深くなるにつれ、レッドに対する「希望」という言葉も重みをおびていく。

あの日、屋上で見た「ショーシャンクの空」は、「ジワタネホの海」へと導いてくれている。

そしてこの物語のもう一つのメッセージ。

アンディはまれな存在である事。ブルックスとレッドの存在がありえるという事。一つの世界で生き方を覚えた人間は、たやすく外の世界には対応できないという事。それは別にショーシャンクの中だけでなくもっと身近でも起こりえる事。

この映画はショーシャンクという一つの世界で見るものに極端な人生を掲示してくれている。(所長を含む悲劇にしても)

(全く関係ないですが、どうしても感じた事です) 再度にわたるレッドの仮釈放の面接。就職試験の面接を思い出しました。結局ありきたりな言葉よりも、本心でありのままを言わねば、相手は対応してくれない...(それも相手によるから微妙なんだよね)ただ、レッドの最後の発言は作り過ぎとも思いましたけどね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)けにろん[*] ことは[*] Linus sawa:38[*]

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