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[コメント] 13日の金曜日(1980/米)

問答無用の大殺戮を「むごい」と思いつつも、心のどこかで小気味よく感じてしまうのは、犠牲者があまりにも若さゆえの傲慢さとアホっぽさに満ち溢れているからなのか?・・・つまり、わたしはもう若くないということか???
はしぼそがらす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ホラー映画の犠牲者に多いのは、1にティーンエイジャー、2にヨソモノではなかろうか。

確かに、高校生〜社会に出るまでくらいの世代って心のどこかで世界は自分のためにあるのだと思っているものだし、ヨソモノは旅先の開放感からえらい傍若無人だったり地元の暗黙の了解の類に鈍感だったりする。

それが悪いとかいうわけでは全然ないのだけど、要は、そういう彼らに向けられる大人社会・邑社会からの目というのがホラー映画の根底にあるように思えてならない。

オトナたちや地モティは、しばしば彼らに忠告する。「どこどこへ行ってはいけない」「だれだれに近づいてはいけない」・・・それが大人社会や邑社会の黙契であるわけだが、結果はというと「ジジイがまたなんか言ってるよ」「うぜー」で流されるのが常である。

・・・で、忠告を無視したワカモノやヨソモノは、案の定とんでもない目に遭う。それを傍観者として見るオトナや地モティは、「気の毒に」と思いながらも、やっぱり心のどこかで「そら見たことか」と思うのではないだろうか。もしかして、そういう心がその代弁者として殺人鬼をつくり出すのでは?

あ、なんか急に怖くなってきた。

犠牲者と同世代(未満も含む)の人と、そうじゃない人とでは、ホラー映画って観方にかなり差が出るのかもな。わたしだって、もしティーンエイジャ−のときに観ていたら、「ジェイソンのおかんも大変だな。女手ひとつでこれだけのことを・・・」なんて絶対思わないだろうし。でも今は思うのよ。おかんの魂よ、安らかに。

(評価:★3)

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