[コメント] 私がやりました(2023/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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映画の舞台は1935年。劇中で主人公たちが映画を観に行きます。作品はビリー・ワイルダーの『ろくでなし』。正直言って、今回初めてその名を知った作品です。そもそもビリー・ワイルダーがこの年に映画を撮っているとは思っていなかったんですよね。調べたら、監督デビューしてまだ間もない頃で、当時フランスに亡命していて、フランスで撮った作品のようです。
それはさておき、本作はフランソワ・オゾンの「ビリー・ワイルダーやってみよう!」の巻だと思うのです。もっとも、「ビリー・ワイルダーだね」ってこと以外に語るべきことがあまりありません。楽しく観たんですけどね。
強いて言えば、女性の権利を主張する辺りがオゾンらしい特徴ではありますけど。オゾンは多作で作風も幅広いんですが、自身がゲイであることを公表しているせいでしょうか、「性」を強調した作品が多い印象があります。単に同性愛を扱った作品が多いというだけではありません。「男性と女性」という関係においても、単に惹かれ合う(自然な)関係という位置付けになく、性(あるいは性差)が物語やテーマの核となっている場合が多いように思います。
そう考えると、オゾンの映画で称賛されるのは常に女性で、死ぬのは常に男のような気がするな。違うかな?さらに、そう考えると『お熱いのがお好き』の時代の先取り感は桁外れだな。完璧な人間はいませんからね。
(2023.11.05 渋谷WHITE CINE QUINTにて鑑賞)
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