これは男性映画だなと思いました。自由奔放なレティシア（ジョアンナ・シムカス）は二人（を筆頭に、世間の男性）にとっての偶像＜アイドル＞であり、それはやっぱり手が届かない事に意味があるんだと思います。マヌー（アラン・ドロン）が空虚な心を埋めるようにパリの街をさまよい、女性に会い、それでも満たされぬまま女のもとを去るシーンからも分かるように、彼にとってレティシアは永遠に、たった一人の女性となり、まさに偶像＜アイドル＞となってしまったんでしょう。

また、レティシアを失った時に見せなかった涙を、マヌーを失う時には見せたローラ（リノ・ヴァンチュラ）の心情も非常に心に残ります。

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08.06.02　記