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[コメント] スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち(2020/米)

思ったよりも地味だったが、スタントウーマンたちが映画業界の中で地道に努力を積み重ね、今日の状況を築いてきたことがよくわかるドキュメンタリーだ。そして彼女たちの歩みに心からの敬意を捧げたい。
シーチキン

映画の黎明期には、女性のスタントが一般的だったものが、一つの産業として隆盛期に向かい始めると「男の仕事だ」と男社会になっていったという指摘はとても興味深いものがあった。

そしてそこから実力で世の中を変えていった、その彼女たちの不屈さ、たくましさ、力強さには学ぶべきことが多いと思う。

なお邦題の副題には「ヒーロー」となっている。原題は「ハリウッドの語られない物語」みたいな感じだし、「スタントウーマンの話なのにヒーロー?」と少し気になった。それでちょこっと調べてみると、少なくとも現代英語では「英雄」的な人物を示す言葉として「ヒーロー」は男性でも女性でも使われているとのこと。「ヒロイン」は女性だけだそうな。

また「マン」と「ウーマン」という使い方については、「マン アンド ウーマン」という使い方や「ピープル」とするのが一般的になっているそうな。映画では「MIB」もあったが、今後は、そういう言葉の使用も変わっていくかもしれない。

いつの日か、「スタントピープル」?という呼称も出てくるのだろうか。そういえば作品中で、大ベテランのスタントウーマンが、「スタントマン協会」に入れてもらえなかったから「スタントウーマン協会」を作ったと話していた。これもいつの日か、一本化される日がくるのだろうか。

そういうことを考えさせられたドキュメンタリーでもあったが、普段、何気なく見ている映画のアクションシーンの裏側で、これだけの努力がされているのか、ということもきちんと気付かせてくれた一本でもある。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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