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[コメント] 望み(2020/日)

秀作。開巻は住宅街のドローン俯瞰。途中で、子供の写真や家族写真がカッティングされるが、ドローンは一軒の家に下降していく。それとまるで円環のように、ラストは、この家の玄関前からワンカットで(カットを割らずに)、大俯瞰まで上昇移動する。
ゑぎ

 空間描写としては、家屋内がとても魅力的で、キッチンとダイニング、ダイニングからの階段、子供部屋二つの引き戸等が上手く使われる。引き戸のパステル調の模様も印象に残る。

 本作は、なかなか配慮の行き届いた出来栄えだと思う。一番そう感じるのは、家族3人、堤真一石田ゆり子清原果耶、それぞれの事件(岡田健史)に対する思考(望み)と行動の差異が納得できる、ということだ。いや、他の登場人物(マスコミ、記者、被害者家族、仕事の関係者等)含めて、思考と行動が(こうなるんだろうな、というレベルを含めて)納得できるように描かれている。

 あるいは、ちょっと誇張された照明の選択も首肯できる。マスコミが来てからの玄関前のカットが昼間でも暗かったり、といったことです。

 さて、上には登場人物の納得性について書きましたが、ちょっと気になったのは、竜雷太のやり過ぎ。でも、これも仕方がないか、というレベル。あと、エピローグ、リハビリテーション施設のシーン等はちょっとクドイが、これも許容範囲と思う。確かに、高校の制服を着た清原果耶の家族写真カットでエンド、ぐらいが私の好みですが。

#エンディングのドローン撮影はとても綺麗なのだが、これってスキルはいか程なのだろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)クワドラAS[*]

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