[コメント] 1917 命をかけた伝令(2019/英=米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ワンカット風で「緩と急」を繰り返す連続で、ドキドキしながら見ていたが、ドイツ機墜落あたりで風向きが変わってくる。燃え盛る機体からパイロットを救い出し、水を汲みに行く一瞬からの悲劇。
その場面で一つの転換点になるが、悲しい別れの後に、突然湧いて出るマーク・ストロング隊。直前に戦闘機が墜落して、銃声がして、なのに吞気に立小便してたり、倒れた大木をどけようと一生懸命だったり。いや、直前の騒ぎがあったんなら、もっと「臨戦態勢」でしょうが、普通なら。ドイツ機が墜落、炎上してるのだから。そこで 手に汗握るドキドキから「醒めた」のをはっきり感じた。
そしてマーク・ストロング隊と一緒に進むが、「橋が落ちてる」といって、隊から分かれて川を渡しはじめるスコ。ところがそこで銃撃されるスコ。そこで一人で立ち向かうスコ。いやちょっと待て、ついさっき分かれたマーク・ストロング隊はどうした?別れて2分とたってないぞ。すぐそこにいるんじゃないの?仲間が。「ワンカット風」に撮っていることの矛盾が押し寄せてきた。そして相撃ち的になって気絶する。
目覚めると「夜」になっている。そこから再びスコの旅は始まるんですが、建物を出たら、すぐそこからドイツ軍エリアの真っただ中。燃え盛る建物(いつ何が燃えたんだ?)、ウロウロするドイツ兵。「ここ」はさっきの川沿いだよね。こんなにドイツ兵がいっぱいいる場所のすぐそばまで、マーク・ストロング隊が来てたんですよね。
そしてフランス女性との出会いを経て、三たび走り出すスコ。川に飛び込むスコ。流れ着いたら目的地に着いてたスコ。そしてカンバーバッチを探して走り出す。でももう英軍は走り出してるんじゃん。砲撃されてるじゃん。カンバーバッチに手紙を届けて「中止」になるが、それ以前に独軍が「撤退した」前提だったはずなのに、砲撃されてるじゃん。
なぜか、そんな「矛盾」ばっかり最後まで追いながら映画を見ていた気がする。本来のこの映画の「いい部分」には目が向かなかった。イヤな見方だと我ながら思うが、せっかく「ワンカット風」にするなら、そこまで突き詰めた脚本にしてほしかったと思う。撮影90点、脚本50点。
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