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[コメント] 彼らは生きていた(2018/英=ニュージーランド)

塹壕きつい。NHK「映像の世紀」でも「塹壕マジきつい」の回があったと記憶する。白黒チャカチャカの記録映像からは感じとれなかった、地獄の戦場。我々の想像力不足をテクノロジーで助けてくれる、リアル『担え銃』だ。
ペンクロフ

当時のカメラはゼンマイ式ですらないクランク手回し式。手持ちカメラなどもってのほかなので、仁義なき戦いは撮れない。『グッドモーニング・バビロン!』はD・W・グリフィスの美術スタッフとなったイタリア人兄弟を描いた映画で、彼らは第一次大戦に従軍カメラマンとして出征する。カメラは手回し式だった。

そのように撮られた記録映像を「原画」と捉えなおし、動きを補完する中割りのコマ「動画」をCGで生成し、挟み込むことで秒間24コマのスムーズな動きの映像にする。さらに総天然色にする。生まれ変わった映像の臨場感は衝撃的で、いやーこれ第一次大戦に限らず古い記録映像は全部こうしてくれんかなと思った。監督のピーター・ジャクソンは、フェイクドキュメンタリー『コリン・マッケンジー』で20世紀初頭の幻のフィルムをでっちあげたことがある。今回はそれの逆をやったということだ。面白いこと考える人ですね。

(評価:★4)

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