[コメント] ふたりの旅路(2016/ラトビア=日) - 更新順 (1/1) -
喪失による孤独に耐えてきた彼女が異郷の地で喧噪に見舞われるが筆致は飽くまで内省的で静謐。そして、映画は真摯に寄り添い共振する。そうするしかないんだよ…と。いつものかおり語りながら役をものにして吐き出すそれは濾過された透明感に充ちている。 (けにろん) | [投票(1)] | |
その深さと長さのため、彼女にとって孤独は状態を超えて性質と化した。そのような孤独を語り切る術をもはや写実劇は持っていない、ということだろう。各音節を引きずる桃井かおりの発声が、時間経過に抗うように重心を後方に傾けたキャラクタの心性と重なる。木内みどり・石倉三郎の贅沢な用法も佳所だ。 (3819695) | [投票(1)] |