[コメント] 女と男の観覧車(2017/米)
ヌーヴォロマン風の語りはもうひと時代前の手法だろう。アレンはこの時代の人だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジャスティン・ティンバーレイクの話者が、話者のくせに全体が見えておらず、観客の期待を裏切ってゆく展開はヌーヴォロマンそのもの。
デジタルなのにデジタル臭を抑えた現代的な撮影が見物で技術の進歩が窺われる。話は弱いというべきか、ひねくれているというべきか。しかしこの撮影、放火魔の息子が方々に放火するのが面白いのだが、デジタルだと判っているから、観客は家の中(精神科医の客間)での放火を見ても、全然危なそうに感じられない。今後映画はこうなっていくのだろうか。彼が放火するとき必ずKiss of Fireが流れる。
ラストシーンは客の去った海岸での、彼ひとりのどんど焼き。何を焼くのか見えない。ギャングに襲われ行方不明のジュノー・テンプルを焼くのでは、とギョッとさせられた瞬間に映画が終わった。こういう淡泊なタッチは老境の監督特有のものだと思う。しかし『ブルージャスミン』のしつこさの方が私には好ましい。
英語が聞き取りやすいのも1950年だからなんだろうか。ケイト・ウィンスレットの40歳の誕生日、ジュノ―は祝う。It’s a milestone! ケイトは苦虫を噛んだように答える。It’s a tombstone. 聞き取りができると嬉しいのでメモ。
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