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[コメント] トレイン・ミッション(2018/米)

本作は、ヴェラ・ファーミガの扱いが肝であり、美点。彼女は足、しかも印象的なヒールから登場する。この見せ方もいい。
ゑぎ

 主人公リーアム・ニーソンが、帰宅時の通勤列車の中で、事件(というかある謀略)に遭遇する、ほゞ半日を描いた映画だが、クレジットバックで、家族との関係や通勤列車の中のいつもの乗客をポイントを絞って見せるのが上手い。特に自宅での朝の風景として、目覚ましアラーム、ラジオ放送、妻と二人のベッド、息子との会話等を短くリフレインする冒頭部分がキャッチーな繋ぎだ。あるいは事件当日、列車に乗る前に、酒場でパトリック・ウィルソンサム・ニールに会うのだが、こゝで、ウィルソンは味方で、ニールは敵と思わせる、こゝも上手い。

 アクションシーンでは、停車中の車体の下に潜って警官の捜索をかわした後に、列車が発車するシーンが一番手に汗握った。その後のギターを持つ黒人との車内でのファイトシーンはとてもCG臭いのだが、クライマックス近く、最後尾車両の連結を切り離し、脱線する、このあたりは迫力がある。ウィルソンが交渉人として列車に入ってきたシーンでの、生き残った乗客たちの振る舞いは、ちょっとやりすぎか。IMDbのTriviaを読むと、ニーソンの列車内シーンは全てスタジオ撮影とのことなので、殆どの走行場面は特殊効果の成果ということになるが、なるほどプロット展開含めてプリプロダクションのデザインで完結している感も強い。

 また、随所で登場する小道具としての文学趣味は青臭く、ノイズに感じられる。

#とか云っておきながら、一応メモしたので記載しておきます。

 ファーストカットでベッドサイドに「風の影」。/クレジット中に息子が「蠅の王」を読むというカットがある。/通勤途中のカットで「嵐が丘」。エミリーとシャーロットを間違えて云う。/ファーミガが席へ近づいてきた際に読んでいるのは「怒りの葡萄」。/「緋文字」を読む黒人の女性がいる。/エピローグで登場する本は「モンテクリスト伯」。

(評価:★3)

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