[コメント] 奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まるで1990年代のバブル華やかりし頃の雰囲気が、いっそう空虚さを浮き立たせている。そういう意味では、スマホ、ライン、ツイッター、出版低迷など現代的用語はあっても骨格はオーソドックスであるから、ちょっと画づくりに工夫すれば、観れる映画にはなるのだろう。
ただ、違っていたら申し訳ないが京都のシティホテルからの夜景はCGではないか。「ロケくらいしろよ」と思ったが、あのシーンは観客に「ここは例の京都のホテルですよ」と明示する必要があるからあえて「京都イン」なんていうデカい看板を出す必要があったのではあろう。
しかし、しかしである。歌舞伎の見立てじゃないんだからわざわざ「ここは京都」みたいな文字を示すのではなく、画で見て京都だとわかるようにして欲しかった。例えば山田洋次なんかはその辺がべらぼうに巧かった。風景を見せて「ここは○○だ」と観客にわからせていた。
本作は画づくりが面白いとはいえ、その底は案外と浅くてちょっと寂しい。
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