[コメント] 関東無宿(1963/日)
ファーストカットが中原早苗。すぐさま松原智恵子、進千賀子の高校生トリオをスピーディに繋ぐ巻頭は少々あざといが、平田大三郎演じるダイヤモンドの冬に導かれた刺青師の家で信欣三が登場する仰角カットのなんと格好良いこと。
ラストまでぶっ飛んだ清順演出(美術・照明・撮影・編集)が続きメチャクチャ面白い。特に五王町(架空の町か?)の旅館の賭場のシーン回りが見事な構図とカッティング。「おかる八」という賭博師・伊藤雄之助の造型も見事なものだが、ヒロイン・伊藤弘子−この人はそれほど綺麗じゃないがとてもいい雰囲気−が小林旭に絡むカットは悉く端整で尚且つ尋常でない間の妙味に溢れている。また、心の緊張を表現したのか、意味不明に張られた糸の演出がもうたまりません。ラストの倫理観溢れる突き放しも私の好み。
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