[コメント] 禁じられた歌声(2014/仏) - 更新順 (1/1) -
演出資源の配分が題材にとって相応しくない調子で画面造型に偏り、複線的なストーリテリングの求心力が壮観の強度に拮抗しない。イスラム過激派の行動ぶりはどこか事務的で薄ぼんやりとしており、その圧政は彼らなりの宗教的信念からなるというより、ハンナ・アーレント云うところの悪の凡庸を想わせる。 (3819695) | [投票] | |
イスラム過激派憎し、との激しい怒りと憎悪は嫌というほど共有できる。しかしあまりに一方的すぎる闖入者たちの描写に誇張はないか。これはプロパガンダじゃないのか。少なくともイスラム圏の人々同士が、かつての支配者の用いた英語・仏語で意思疎通している不条理を思うとき、この物語の正否は簡単に決定できないし、われらの「聖戦」参加を煽る映画であってはいけないだろう。狂女を演ずるケトゥリ・ノエルの存在感は強烈。 (水那岐) | [投票] |