[コメント] 大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院(2005/仏=スイス=独)
古典芸能のようなモンタージュを想定していない代物を、放映するにあたってカットで割ってしまう。わたしはこれが苦手で、カットを割り振る演出家の恣意に苛立つのである。解釈を押しつけられた心地がしてしまう。
景物の全景でどこまでも尺が持ってしまう類の話である。にもかかわらず、全景を抑えたらもう我慢できなくて被写体の接写に向かい、その心理の解釈にかかる。被写体の心理なんぞ全景で佇ませるだけでいくらでも拾えるものを寄らずにはいられないこの邪念と下品。しかし、かかるねちっこい欲望が終いには晩課の詠唱を男妾の喘ぎのように見せてしまい、これはこれで困った核心に到達するのである。
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