[コメント] ケンとカズ(2016/日)
役者の面構えが好い。思いを飲み込んだように物言いたげなカトウシンスケの目。制御不能な苛立ちが炸裂する毎熊克哉の強面。露骨な上から目線を強いる高野春樹の半笑い。そんな男どもの「顔」の連打が物語の推進力となって、他の類似映画と一線を画す。
さらに山本周平カメラマンの丁寧な撮影が作品のクオリティを担保して、低予算映画にありがちなチープ感を微塵も感じない。その力強さはヤン・イクチュンやキム・ギドク、パク・チャヌク、ポン・ジュノら韓国作家のデビュー期の良作を彷彿とさせる。
この小路紘史という若きインディーズ作家はじめ、彼の元に結集した役者やスタッフは、そう遠くない将来に日本映画の一翼を担い始める予感に満ちている。
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