[コメント] キャロル(2015/英=米=仏)
ケイトのヒラメ顔が紗のかかった画面を大型魚類そのものの緩慢さで遊泳する。貞操を狙われるルーニーは水族館の隅で怯える小動物である。
時代劇の構築感を覆うべく発生した質感の霞が、水槽のようなその質感が、生命のない構築物の中でケイトのヒラメ顔という生体の生々しさを誕生させる。彼女の様態は人類が魚類に抱く根源的な嗜虐心を誘うが、時代劇の構築感が生体の横溢を憎むのである。
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