[コメント] さよなら、人類(2014/スウェーデン=ノルウェー=仏=独)
喜怒哀楽を増幅し、心に潜む不安や、社会のひずみを描くのが劇映画の常套手段だとしたら、ロイ・アンダーソンは喜怒哀楽を封印することで、その閉鎖された劇空間のなかに、人の愚かさ世の哀しみを、「起こり得るナンセンス」と共振させて増幅してみせる。
だから、笑うに笑えないし、泣くに泣けない。この、劇映画の「感動」の対極に位置する「心のやり場のなさ」もまた、平常心を脅かすという意味において「感動」と呼んでもよいのだと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。