[コメント] 殺人捜査線(1958/米)
のっけから怒涛のアバン・タイトル。サンフランシスコ市警側の主人公はワーナー・アンダーソンで、彼らの捜査の様子がしばらく続くのだが、映画が始まって20分を過ぎたところでイーライ・ウォラックとロバート・キースが登場。この二人のキャラがよく描けている。
そしてこゝに運転手のリチャード・ジャッケルが加わって映画がグングン動き出す。車の中にこの3人が映っているカットだけでゾクゾクさせられる。ウォラックの仕事の見せ場としてはスチームサウナのシーン、執事を銃殺する際の階段と鏡を上手く使った演出、メアリー・ラロシュとの出会いを装う水族館といった道具立てが用意されている。そしてこの映画の驚愕すべき道具立てが「スートロ博物館(Sutro museum)」と呼ばれるアイススケートリンクと展望台を有する施設で、こゝで雇い主の「マン(The Man)」に会うことになる。この男をヴォーン・テイラーがやっており、これが怖い。いやはやこのシーンは凄いです。久しぶりに最強レベルの悪役を見た。ヴォーン・テイラーはキューカー『有名になる方法教えます』でのいたって普通のビジネスマン役を最近見たばかりだったので余計に驚いた。このシーンの後も建設中のハイウェイを使ったカーチェイスシーンがあり、ラストの簡潔な銃撃戦といいシーゲルらしい引き締まった演出満載の映画だが、しかしヴォーン・テイラーです。彼のシーンがあるので、私は声を大にして「これは傑作だ」と云う事が出来る。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。