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[コメント] 仁義なき戦い 代理戦争(1973/日)

巨大化する組織の陰で踏み千切られた「若さの可能性」。
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







広能(文太)組の下っ端として登場する渡瀬恒彦は、失敗を取り戻そうと躍起になる川谷拓三の兄貴分に唆され抜け駆けの巧妙を狙い、独断で対立組織である槙原組(田中邦衛)を襲撃する。彼のこの行動は広能の怒りを買ったばかりでなく、回りまわって彼の命を奪うこととなった。彼は体中をハチの巣にされた上、骨壷までコナゴナに砕かれてしまったのだ。それも母親の目の前で。

彼の勇気は傍迷惑極まりない蛮夫の勇であり、その死は完全なる犬死にしか過ぎなかったのだ。

代理戦争』は「若さの可能性」を完全に否定しているのである。それだけにラストシーンの苦々しさは東映仁侠映画実録路線随一と云えましょう。

(『頂上作戦』のレビューに続く→→)

(評価:★3)

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