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[コメント] 食べて、祈って、恋をして(2010/米)

2時間強の上映時間で世界3カ所での自分探しを完璧には描けまい。自分探しの旅行きたいな、といった夢を見るために観る映画。華のあるジュリア・ロバーツと美しい各所の情景がなんとなくそういう気分にさせてくれる。(2010.09.20.)
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







女性の自分探しモノ。ニューヨークでの自らの生活を捨て、イタリアで食べて、インドで祈って、バリで恋をする。2時間という制約がある映画の中だと、1年間で3カ所回って、いろいろ考えて答えを出す過程をなかなか追いきれない。なんとなく現状に悩んでて、旅してさまざまな経験をして、小さなことかもしれないけど何か発見しました、ということは見て取れるが、本当に本当に深い心の奥底まではさすがに感じられなかった。それにはもっと1カ所でじっくりドラマを描かないといけなかったのだろう。

ジュリア・ロバーツという華のある女優が中心にいて、個性の違う3つの国の雰囲気を見せてくれる。それによって、少しばかり自分探しをした気分を味わえる。もしくは、自分探しの旅をしたいという憧れを抱く。旅への意欲をかき立てられるプロモーション映像のよう。まさに、ジュリア・ロバーツありきの旅映画だ。映画の中の「食べて」のパートであるイタリアでのシーンは、一番シンプルなパートでもあるせいか、ピザを食べてワインを飲むジュリアの様子を見ているだけで、ちょっと癒され、そしてお腹が空いてくる。

「祈って」のパートであるインドのシーンは、日本人には一番伝わりづらいパートかもしれない。現代の日本文化は神に祈るという宗教的な部分から遠い。映画の中の短い1パートで、そこに絡む心の変化をしっかり捉えることは、文化的背景からも難しいように思えた。最後の「恋をして」のパートはハビエル・バルデムのラテンのノリに惹かれる部分はあったが、恋愛を描くにしてももっとじっくり描かないと入り込みにくい。

「食べて」と「祈って」と「恋をして」の3部作で描かれたらもっとじっくり人間ドラマを堪能できたのか。それともダラダラして締まりがなくなってしまったのか。

映画を観て感動したいとかそういうのではなく、なんとなく「旅したいなぁ」とか「ピザ食べたいなぁ」とか、ゆるい感じで欲求をかき立てる映画に思えました。美しい情景をそこに行かずして僅かながら堪能出来る、それも映画のひとつの醍醐味なのです。

(評価:★3)

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