[コメント] 特攻野郎Aチーム THE MOVIE(2010/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
少し前『ソルト』(2010)を観て、その不満点について述べさせてもらったが、その内容は簡単に言えば、今になって70年代の作品っぽく作ってみても駄目だ。と言う事。今はむしろ80年代後半っぽく作った方が受けが良い。と言った具合に書いてみたが、まさかその直後、その実践を見せつけられるとは思わなかった。
そうそう。まさにこれだ。これこそが今の時代にぴったり合った作品なんだよ。
やたらノリとテンションの高いキャラ、仲間の大切さ、マニアックなギミック、そして細かい理論ぶっ飛ばした力押しの展開。どれを取っても“ザ・80年”と言った風情だが、今はそう言った単純性とテンションが高い作品の方が受け入れられるはず。下手にもの考えさせるよりも、スカッとするだけの作品の方が良い。
特に前半のミッションはもうノリノリ。コンマ何秒という精密な作戦をほとんどノリだけで見事にこなし、ちょっとした危険も全部“スリル”の範疇に収め、更にキャラを使って笑いも取る。一種異様なノリとテンションで突っ切るジェットコースターのようなストーリー展開は、大いに溜飲を下げさせてもらった。まさしくこういう作品が観たかったんだよ。
数々の笑いの要素が詰まってたけど、その中でも、あまりにも無茶苦茶なマードックの飛行機の運転ぶりにコングがすっかり飛行機恐怖症になってしまったってストーリーを挿入したのは見事。最初になんの抵抗もなく飛行機に乗ってるから変だと思ってたけど、こういうオチを付けてた訳ね。これで本当に「だけど飛行機だけは勘弁な」の理由と、なんでコングがフェイスマンを目の敵にしてるのかがはっきり分かった。ちゃんとテレビシリーズを理解しているからこそ出来た芸当だ。
ただ、最後のミッション、作戦立案がハンニバルからフェイスマンに移ってAチームが反撃に出る話になった途端テンポが失速してしまったのが残念。じっくり見せようという狙いは分かるものの、ここだけ普通のアクション作品になってしまったところが残念。これまでがノッてただけに、しんみりするよりも肩すかしを食ってしまった気分にさせられた。
本作では4つのミッションが次々に出てくるのだが、最後のミッションだけが妙に地味ってのは、構成のミスじゃないかな?こういうのは途中のミッションでやってしまい、最後はノリノリで終わってくれればすごい幸せな気分になったのに。そこが勿体ない。あの戦車落下の降りは、ラスト近くでやってたら楽しかったのに。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。