でも、払えなくなった人から臓器を回収しても企業にとって何のメリットがあるんだろうとずっと考えてしまう。ユーザーへの恐怖感を植え付けるためだろうか。それとも国家も加担して制度を進めているのだろうか。

「回収＝死」が罪にならないことから、その時代では人工臓器を装着した時点で、その人の生は終わっており、戸籍上は（そういうものがまだあるとして）すでに死亡しているから、そういう回収システムが存在しているのかもしれないですね。

でも、そういう我が思念とは裏腹に、画面はジュード・ロウに人工臓器をつけさせ、しかも回収業を続行させるという当然起こり得る自己矛盾のような展開を用意させる。

でも、なあ、それ以降全身人工臓器の美女と巡り合ったり、幼馴染の同僚からの意外な思われぶりをされていたと言い、ベタですね。発想は面白いのに、通常のＢ級作品に陥っている。そして、企業の中枢ＣＰＵシステムに潜入してゆく。

ラストの、あのオチはまたまたベタでした。ずっと僕が考えていたこの人工臓器システムとは、というちょっと面白い近未来的社会的テーマも宙に浮いたまま、この映画をエンドしていきます。要するに、サブプライムローンで膨大な借金を抱えた人たちはもはや希望も何もないということなのでしょうか、、。