[コメント] ミスタア・ロバーツ(1955/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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戦争で勝つのは兵站がしっかりしている側。バックアップがしっかりしているならば、前線の戦士達は安心して戦うことが出来る。兵站は決して目立つわけではないが、実は戦争においては最も大切な役割を担う。
これは実はかつて私が実地で学んだこと。神戸・淡路島地震でボランティアに行き、働いている者達のトイレ掃除とか配膳係ばかりさせられて半ばクサッていた私に言われた言葉だった。「忙しく働く者がいれば、彼らを助けるために後衛で彼らを助けるために待機をするものが必要なのだ」と。華々しく前面で働いている者に対し、後ろで働くことの情けなさ。ヤケさ。それが必要だと納得させても出る思い。何となく分かるな〜
それに、勝手な上司に振り回され、愚痴を言うことも出来ずひたすら転属願いを出すロバーツの姿。これもよく分かる。何をしても怒られ、失敗すればいつまでも言われ続け、成果が出ても「もしお前が失敗したら責任取るのは私なんだからな」の一言でケリを付けられていた…泣きたくなるくらい、その立場、よく分かるぞ。
…何となく身につまされる作品だった(一応冗談と受け取って欲しい。一応ね)。
やっぱり良い映画を撮る監督は笑いを取るのも上手い。その点はさすがにジョン=フォード!と言っても良いし、劇中のキャラが活き活きとしていたのは大変評価できる点なのだが(特にジャック=レモンの巧さが突出していた)、本当にこれはフォードに撮らせるような脚本だったか?あまりにステロタイプな人間描写は監督の良さを完全に損なっていた。身につまされる事はあっても、映画としてみるならその人間関係はあまりに単純に過ぎる。良い部分はたくさんあるのだが、その人間描写の薄っぺらさでどうにも高い評価は出来にくいな。
『M★A★S★H』でもそう思ったが、こういう戦いが出来る国には戦争を仕掛けてはいけません。
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