広末主役でミステリーはどうなのかなと思いながら鑑賞したが、違和感の残る出来であった。彼女は業を背負う事に説得力を持たせられる「才能」を持ち合わせていないようである。

あと、使っている時間と扱っている内容にしては受ける印象がとても軽い。まともにやるととんでもなくどんよりしてしまう可能性もあり、それがよいかどうかは別の話だが、重厚な部分を背負う中谷美紀・木村多江・西島秀俊らの芝居が逆に浮いてしまっているように思える。このご時世にブラックバックの顔アップを多用されたのは失笑の域を出なかったが、これも影響したかと思う。

脇の皆さんは良かったと思う。それだけに主役と監督がそれをちゃんと受け止め切れなかったことは残念である。

(2009.11.14 シネチッタ)