[コメント] 七年目の浮気(1955/米)
「七年目のウズウズ」なおっさんは妄想爆発でおかしい。健康な『アメリカン・ビューティー』。当然、モンローも男を悩殺するけど、ただの健康で天真爛漫な女の子、つまり可愛い。可愛い女の子と妄想オヤジの爆笑コメディでした。
橋本治の「虹とヲルゴオル」(講談社文庫)のマリリン・モンローの欄にこの作品の解説が出てます。
主人公のおっさんは、文学作品を「エロ本」装丁にして売るのが仕事。 説明のカットに出るのは「若草物語」の「エロ本装丁版」。男ってのは、外見が「エロ」だと女性に近づくし、ちょっとした「エロ」に勝手な妄想と股間を膨らましちゃう。で、エロ本装丁の「若草物語」というのが、この映画のマリリン・モンローだと橋本は説明してるんです。「外見はセクシーだけど、中身はナイーブな女の子」ってのがこの映画の中でモンローに与えられた役割だと。あっけらかんと、主人公にキスしちゃったり、エアコンの前で肌をさらしたり・・・、外見とは裏腹に小学生の女の子並の無防備ぶり。でも、妄想に凝り固まった男には、そんな「無防備」も男に都合の良い解釈しかできない。映画の中で、モンローに悩殺されちゃうのが主人公なんだけど、映画の中だけじゃなくて、映画会社もそれを利用したし、観客もそっちに魅力を感じた。もちろん、実際も外見とは裏腹に「ナイーブな女の子」なモンローは、容赦無い現実の男の妄想に振り回されて不幸を選んじゃう・・・。
みたいな解説です。
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